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機動戦士ガンダムSEEDは非戦がテーマだった、核兵器の問題も描かれている。遺伝子操作についても大きな要素で映画ガタカに通づるものがある

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2002年テレビ放送で今から15年前の作品になります

SEEDの3つの特徴
 
1つ目の特徴はファーストガンダムへの原点回帰を目指して製作されている
・スペースコロニー側の人類と地球側の人類の戦い
・コロニーが襲撃されコロニーに居た少年がパイロットになる
・ニュータイプに相当するコーディネーターの覚醒
・敵の指揮官のマスク
・宇宙戦→地上戦→宇宙戦の流れ
・Zから登場する強化人間
等々
 
時代設定はファーストガンダムの宇宙世紀とは別のコズミックイラとなっています
スペースコロニーはプラントという言い方になっています
 

モビルスーツの必要性の設定はミノフスキー粒子から再設定

核兵器を無効化するニュートロンジャマー
核分裂を抑えるニュートロンジャマー を地球、プラントに宙域に敷設
この影響で通信やレーダーが使用不可能となり既存兵器の価値が弱体化
物量で勝る地球連合軍に対しザフトが開発した人型機動兵器モビルスーツが有効な環境となり拮抗する
 
ニュータイプに相当するものがタイトルにもなっているSEED
SEEDが覚醒する描写はクルミのように見える種子が弾けるように表現されています
この異質の能力を
主人公のキラに対しバルトフェルトはバーサーカーと表現しています
バーサーカーとは
北欧の神話に登場する神の力を受けた異能の戦士で、我を忘れて怒り狂い鬼神のごとく戦う
北欧ノルウェー語ではベルセルク
英語でバーサーカー
日本語では狂戦士
言われた時にはバーサーカーの意味がわからないキラでしたが、後でムウに聞きその意味を知り自己嫌悪に陥る
 
主役メカのガンダムが破壊されにくい設定を改善
初期生産GAT-X5機の特殊装甲
フェイズシフト装甲
電流を流すことで相転移する特殊金属でできた装甲
実弾兵器を無力化することができる
ビーム兵器に対する耐久性も増し、威力の低いビーム兵器であれば直撃に耐えることができる
また色も変化する性質がある
通電することによりメタリックグレーの装甲色が有彩色化する
これが欠点であり電力を消費するので稼働時間が短く、しかもエネルギー切れフェイズシフトダウンで色がメタリックグレーに戻ることで敵にもエネルギー切れを露呈してしまう
 
次期生産GAT-X3機の特殊装甲
トランスフェイズ装甲(フェイズシフト装甲の改良型)
電力消費の低減による稼働時間の延長
外側に通常装甲を用いることでフェイズシフトダウン時も色が変化しない
 

2つ目の特徴は遺伝子操作

コーディネーター、遺伝子操作によって生み出された新人類
・重大な病気にならない、病原菌に対して抵抗力がある、治癒力が高い
・スポーツ選手のように優秀な身体能力、科学者のような優れた頭脳
・肌の色、眼の色、髪の色等も選択可能
人類初のコーディネーターが自分がコーディネーターであることを告白しその技術をネットワークに公開
初期は高価なことから富裕層のみであったが時間とともにコストが下がり一般家庭にも手が届く
これによりコーディネーターの人口が増加していく
技術公開から30年後には人口1000万人を突破
この頃になると各分野での活躍はコーディネーターばかりとなり遺伝子操作をしていないナチュラルとの能力の差が歴然であり嫉妬や妬みを生む
このことが双方の対立を生み戦争へと発展してしまう
 
この遺伝子操作で人類が2局化された世界を描いた映画に「ガタカ」があります
1998年公開
主演、イーサンホーク、ユマサーマン、ジュードロウ
キャストも豪華で作品としても面白いです
こちらも見ると遺伝子操作で優劣の付けられた社会の怖さが実感できます
こちらの作品はなりすましがバレるかバレないかがメインとなったサスペンスものです
 Amazonビデオプライム対象
ガタカ (字幕版)

ガタカ (字幕版)

 
 

3つ目が非戦がテーマ

上記の遺伝子操作による人類は分裂
差別、偏見、妬み等、争いの原因を考えさせる
この作品では遺伝子操作を使っていますが、現実では肌の色、宗教等が相当します
対立の原因になるものは自分が正しく、相手は間違っているという考え方
相手を知らないからこその恐れ
 
それともう一つ核兵器が使われたらどうなるか
抑止力としての核兵器ですが、それが使われたら
この作品では地球連合側がプラントへの核攻撃が発端と設定されています
後半では作品の中で核攻撃も描かれています
核兵器の恐怖とそれを一度使ってしまったらどういうことになるかということも描かれいます
子供向け、大衆受け、批判を受けない事を狙っていれば核兵器の描写等は採用しなかったと思いますので、それをあえて描いたところに核兵器の問題を訴えていることが伺えます
 

当時の感想と今回の印象の違い

15年前のオリジナル放送は見ました
その後は1度くらいは見た記憶があります
今回の視聴で3回目で、何度も見てはいませんでした
過去の印象は1つのガンダム作品で好きなガンダム作品ではあります
 
普通に見ていたのでファーストガンダムへの原点回帰の作りや作品テーマの非戦等、考えずに見ていたと思います
 
しかし今回はAmazonビデオプライム対象作品であったことがきっかけです
前回(2月ごろ)ファーストガンダムを見て改めてその良さを感じました
その時はZガンダムもプライム対象でしたが1話のみ見て終了
Zガンダムはあまり好きな作品ではなく、1話を見て再認識
00も対象でしたのでセカンドシーズンの2つ共に見ました
 
Amazonビデオのプライム無料対象は固定ではなく変わります
現在ではファースト、Z、00対象外です
対象で見たい作品は残るはSEEDのみ
しかしテレビ版は50話程度あるので見るにはかなりの気合が必要です
前回は見ませんでしたが、プライム対象のうちに見ておこうと今回見ました
 
このように少し時間があったこともあり見る前にレビューを見たり調べて本当に見る価値があるか確認したのです
そこで初めてファーストガンダムへの原点回帰の作りや作品テーマの非戦等を知りました
遺伝子操作を取り扱っているのも興味深いところです
 
偶然ですがSEEDを見る少し前に「ガタカ」を見たばかりなんです
 
このように今回は非戦というテーマを知って(意識して)見たので今までと全く違う印象です
ガンダム作品としても良くできていると思います
しかしそれ以上に非戦としてのテーマがうまく描かれており、見ていて苦しく考えさせられます
主人公のキラも能力がありすぎるゆえにとても辛く悲しい体験が多く見ているのが辛くなるほどです
しかもまだ10代ですから
 
追記
他の作品や映画も含め、見る年齢で感想は変わります
子供の頃に見て分からなかったことが大人になってわかることや見えてくるもの
それだではなく大人になってから見たものでも改めて見てみると違った印象になる
よくなるばかりでなく、印象や感想が悪くなることもあります
 
難しいストーリー設定のものは事前に予備知識がないと理解できないものあります
またはオリジナルのストーリーを映画のために短くしなければならない都合でわかりにくい作品になったり
SEEDも少し難しい部分があると思います
特に用語は作品の中の台詞や解説だけではわからないものも多くあります
重要な用語はSEEDを楽しむために必要なものは最低限解説しています
 
一部各話のネタバレも含まれていますのでご注意ください
久しぶりに見ても一部を少し覚えていただけで初めて見るのと同じくらいストーリー展開をワクワクしながら楽しめました
(ほとんどのストーリーを忘れていたのです)
オリジナル放送や2回目に見たHDリマスター版の再放送で毎週1話を見ていると1年です
(現在では1クール3ヶ月か半年が多い中、1年の放送は事前にも放送後も人気があったことが伺えます。不人気では打ち切りになりますので)
SEEDのストーリーでは週一で1年かけてでは初期の頃を忘れてしまい全てを理解するのは難しかったかなとも思います
全話オンデマンドで連続で見れるのは良い環境になったものです
 
ファーストでは不要なエピソードと思う話もあります
しかしSEEDでは毎話全てが必要であり48話と長いにもかかわらずよく作られていると感心します
 
宮崎駿監督の作品のテーマには大きく2つ
戦争の愚かさと自然環境の破壊への警告
特に初回作品の風の谷のナウシカにはこの2つが盛り込まれています
宮崎駿は好きで尊敬する監督です
緻密な描写や演出には感心してしまいます
 
何も知らなく見ても楽しめる良い作品は多くあります
しかしテーマを知ってみると深く理解できより楽しめます
宮崎作品に通づる戦争の無意味さを訴えるものがあり、作品のメッセージに共感でき今まで見たSEEDとは違った良さがありました
 

非戦、戦争の原因、どうやったら戦争が終わるのか

クルーゼ、バルクフェルト、ラクスの台詞に随所に盛り込まれています
14話、18話、23話、27話、29話
 
各話の印象的な部分
30話では穏やかな人でさえ狂気になり敵をナイフで殺そうとするシーンがあります
戦争という特殊な環境での恨み憎しみを表現
 
31話の査問会では最前線の当事者と客観的な見方の軍上層部の見方の相違
これは仕事で会社でも通づるものが多分にあります
 
39話キラとカガリの関係が明らかに
 
40話オーブ崩壊から何と戦うかアスランも悩む
そして父パトリックに単身確認に行くことを決断
その回答は一番言って欲しくない事を言う父に落胆
この40話から話が大きく動きます
 
42話プラント(コロニー)でクルーゼが謎を話す前で終わる
 
43話クルーゼとムウの関係が明らかになる
ディアッカは戦争の現実を客観的に初めて見てきて、軍の命令で戦う事は出来ないとイザークに話す
軍の命令でその場の戦闘だけ(主観的)では気付かなかった見えなかった事があったのです
イザークはお前は騙されていると言うと、ディアッカは騙されているのはどってかなと
騙されていなくとも現実でも見方が間違っている、あるいは見えていない事はあります
このシーンは個人的にはとても印象的です
 
クルーゼが何故殺さず捕虜としたか不明だったフレイを使い重要な技術情報を意図的に敵の地球連合に渡す
このことでクルーゼの思惑通りに戦局が大きく動き出す
 
44話アズラエルは目的であったフリーダムとジャスティスの奪取をしなくても達成する事になる
一方キラは出生の秘密を知り、更にフレイの通信を聞き苦悩する
 
何とも悩みの多い辛い主人公
有能過ぎるゆえに悩み、対人関係でも悩む、優し過ぎる性格もある、しかしまだ10代
そりゃフレイの罠にも落ちる
救いは物事の本質を見る事のできるラクスの存在
最初の出会いでも「優しいのはコーディネーターだからてはなくあなただからでしょう」とキラに言う
出会って間も無い人の良い面を瞬時に見抜き、素直に的確に伝える
このような人は現実にはなかなか居ないし自分でもできない
この脚本を書いた人には敬服します
 
44話はエンディングソングの後にラストカットが少しあります
そこでキラが自分の存在に疑問を感じ生まれてきてはいけなかったのかと悩む
それに対しラクスから嬉しい言葉を言われます
ラクスもこの時には父親が反逆者として殺されいます
 
45話、核兵器が無効になるのを無効にするニュートロンジャマーキャンセラーの技術を手にしたアズラエルは核兵器を戦争を終わらせる為にと躊躇無く使う
核兵器に対する脅威をアニメの中であえて使っている事が伺えるシーン
それに対しナタル艦長は核兵器の使用に躊躇しないアズラエルに人道的にどうか問うと、勝ち目のない戦いに死んでこいと平気で部下を送る軍人の指揮官より僕の方が優しいと言ってのける
ある意味正論で正しいがそれは自軍のみを考えた場合で敵も同じ人である事を忘れている
ナチュラルより優れたコーディネーターを恐れ妬んだ結果、同じ人類を悪魔とみなした危険な考え方
 
父を殺されたフレイはコーディネーターなんか皆んな死んでしまえばいいと言っていた通りの光景、核兵器を撃たれ一瞬で消える要塞を目の当たりにして何を思うのか?
初めてブリッジ(艦橋)で実際の戦闘光景を見て自分が今迄いかに真実を見ていなかったかを知る
この時、後悔が募り友達と改めて話したいと思う
 
現実でも人は自分に都合の悪い物は見ない、都合の良いものばかりを見て自分の正当性を高め確信していきます
これは誰にでもある行動でそれがいかに危険かをフレイを通し伝えている
(その行動は意識的なものもあれば無意識なものもあります)
 
ナタル艦長もまたアズラエルの非道な行動や判断、考え方を見て、軍人の鏡の様な彼女も軍に疑問を初めて抱く
 
46話ザラ議長は最終兵器ジェネシスを撃つ
ジェネシスとは核エネルギーを使用した巨大なガンマ線レーザー砲でザフトの最終兵器 
これを見たアズラエルは敵兵器の危険性を直ぐに理解しダメージの大きい状況でも直ぐに反撃を指示する
このジェネシスを地球に撃たれる前に、撃たれてからでは遅いと
そしてこんな恐ろし技術力を持った敵は全滅させなければと
 
敵がやったからやり返す、やられたからやり返す、正に負の連鎖
抑止力であったはずの大量殺戮兵器も一度撃たれると歯止めが効かない
クルーゼの思惑通り人類滅亡の最悪なシナリオに進んでいく
 
味方が放ったジェネシスの攻撃にイザークの心も揺らぐ
コーディネーター側のザフトは敵に核兵器を撃たれても同じ事を非道な事をしなかった事が誇りであり正義であったから
 
47話、地球連合の核兵器が勝つかコーディネーターザフトのジェネシスが勝つかの最終局面へ
人の欲望ゆえの結果の争い
戦争に対する問いかけ
 
最終話48話、ザラ議長は禁断の地球へのジェネシス発射を指示する
 
キラと戦闘中のクルーゼの台詞
知りながらも突き進み、正義と信じ、わからぬと逃げ、知らず聞かず、その果ての結果だ
そして滅ぶよ人は、滅ぶべくして 、それが人だよ
「所詮人は己の知る事しか知らぬ」
最後の言葉の意味は深く重い
自分が知っていることしか知らずにそれで判断している
知っていることよりも知らないことが多いのに
 
一方ザフトのコントロール室、地球への攻撃の判断に対し、意見した部下を拳銃で撃つザラ議長
 
撃った部下に撃たれザラ議長は死に最悪の事態を避ける
と思われたが自爆装置起動のタイマー、地球への発射も連動されている
それを止める為アスランはジャスティスの核エンジンを自爆させる事を決断
それを追うカガリ
一方クルーゼとキラの対決は自爆がセットされたジャスティスのジェネシス間近で行われていた
そしてジェネシスの発射前にジャスティスの自爆でジェネシスが爆破し地球への発射は回避される
アスラン、カガリ、キラの安否は
 

キャラ設定と台詞

作品の中で各キャラを使い戦争の原因やどうやったら戦争が終わりなくなるかについての台詞が多く出てきます

その中で印象的な言葉
「人は知らないものを恐れる」これはかなり本質を突いた言葉
例えばサメを普通は怖がりますが、数百種いるうちのほんの数種のみしか危険なサメはいません
その危険なサメも空腹で捕食以外では人に襲ってきません
人では見た目が怖くても話したら以外に優しかったり
嫌いな人も話してみたら良い人だったり
 
SEEDでは個性的な各キャラか多い
カガリ、イザーク、フレイ、ラクス、アズラエル等
他のキャラも個性的です
 
悪役としての2人
フレイ
完全に自己中心的で自分勝手な言動、自分の目的達成には女を使う嫌な女性
これも戦時中という特殊な環境だからこその悪意が表面化
誰にでもこの悪意がありそれを普段は抑えている
それが何かのきっかけで顕在化する危険性
物事を部分的にしか見ないで自分の都合で見てしまうと危険な考えになる例
 
アズラエル
経済人としては優秀
しかし非人道的
彼が言う言葉は正論が多い
小さいなことには気にせず大局で物事を考え結果を優先する
しかし政治や戦争ではどうなのか
こういう人が政治的に力を持ったらどうなるかを表現している
15年前の作品ですが現在では丁度アメリカではビジネスマンのトランプ氏が大統領になっています
 
ガンダム00の冒頭でも「現在も人類は戦争を続けている」とのナレーションがあります
事実21世紀になった現在もその通り人類から戦争はなくなっていません
それどころか北朝鮮の挑発的な核実験とミサイル発射実験により緊迫が高まっています
 

今現在見た印象は大きく違います

年をとったせいかかなり泣けるシーンも多くありました
以前に見て泣けた記憶はありません
戦時下における各個人の悲しみが理解できるからです
 
些細な言葉で人を傷付けたり、傷ついたり
立場が違うことでの誤解
命令で動く軍人、何も考えず実行する人、これは違うと考える人
自分ではどうにもできないこと
感情を表に出す人、感情を出さない人
いろいろな人の行動、感情、悩みなどが上手く設定され表現されています
 
ファーストガンダムと比べると
最初からムウという大人が1人いることでかなり締まっている
ファースでいうスレッガーが最初からいる設定となっています
女性が多い
時代として女性の社会進出、活用が反映されているということでしょうか
ザフトの制服が格好良い、特に赤服の4人
作品の中の台詞にも出てきます
(この4人に親が全て政治家が選ばれていることには疑問を感じます。育ちと軍人として優秀かは別で、家柄だけで優遇されてもパイロットとして能力がなければ死なせるだけですから)
 

音楽

オープニング、エンディング共に4回変わっています
HDリマスターとオリジナルではエンディングが一部曲が違うようです
個人的にはTMレボリューションのINVOKE
玉置成実のRealize
中島美嘉のFIND THE WAYが好きです
 
今回エンディングテロップで偶然気づいたのですが
 
アイシャ(バルクフェルトの部下、恋人役)をビビアンスーが声優をしていたんです
調べたらビビアンスーの為に設定したキャラだそうです
 
オープニングのmomentも歌っています
 
Amazonビデオプライム対象です
いつ変わるかわかりませんので見るならお早めに
残念ながら続編のDESTINYはAmazonビデオでは取り扱っていません
他のほとんどのガンダム作品があるのに不思議です
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